人材育成講座

平成30年度北極域課題解決人材育成講座 「北極域科学概論」報告

2018/12/11

 11月21日(水)~22日(木)に北極域研究共同推進拠点(*1)主催による平成30年度北極域課題解決人材育成講座「北極域科学概論」が札幌、東京の二会場(二元中継)で開催されました。急激な海氷の減少や環境変動が進行する北極域では、温暖化やそれに伴う異常気象が生態系と人々の暮らしや社会に及ぼす影響が顕在化しつつある一方、資源開発や北極海航路利用の可能性が高まるなど世界的に北極域における経済活動やガバナンスへの関心が高まっています。

本講座は、第一線で活躍する自然科学から人文・社会科学までの研究者を講師陣に招き、俯瞰的な視野を持ち北極域の課題解決に貢献する人材の育成を目的とし、今回は北極域の「地理と歴史」、「大気」、「氷河・氷床」、「海洋」、「海の生態系」、「陸の生態系」、「北極海航路」、「資源開発」、「人間と社会」、「ガバナンス」それに「デ-タマネジメント」に関する11の講義を行いました。受講者には事前に受講動機を記入いただき、多様な33名の受講者(民間企業13名、官公庁3名、大学・研究機関等17名(内学生10名))それぞれが今後の業務や研究活動などへの期待を整理したうえで本講義に臨みました。
 各講義では直面する北極域の課題などについて活発な質疑応答がなされました。また自己紹介や交流会の中でも、学生からは将来の進学・進路に対する思いなど情報交換の輪が生まれ、社会人からは環境変動の再認識や今後の職務への影響など多くの意見交換がなされ、参加者が一体感を醸し出す場面も見られるなど大いに盛り上がりました。
 また来年もこの時期に開催する予定です。

(*1)構成三施設
国立大学法人北海道大学北極域研究センター(中核施設)
大学共同利用機関法人情報・システム研究機構国立極地研究所国際北極環境研究センター(連携施設)
国立研究開発法人海洋研究開発機構北極環境変動総合研究センター(連携施設)

写真1: 三重大学大学院 飯島慈裕准教授「陸の生態系」の講義(札幌会場(北大))

写真2: 筑波大学 礪波亜希准教授「ガバナンス」の講義(東京会場(海洋研究開発機構東京事務所))

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